• ご挨拶

  • 『10年目の想い』
  •   紫陽花が雨の中で輝きを放つ季節に、珈琲エッセイを読み続けて10年になります。
      審査の翌日、紫陽花の花束を戴きました。初めて見るちりめん生地のような花びらや、やさしいピンクのバラのような珍種が5種類もはいったもので、10周年のお祝いのようで、心が躍りました。
      今年は47都道府県と国外からの5点を合わせて1,086点が寄せられました。過去2番目に多い応募数となります。10年間の総数はなんと5,000点以上。驚くべき数の珈琲エッセイを読ませていただいたことになります。
      今年の審査は特に混戦で、今までにない時間を要するものとなりました。まるで上質の珈琲豆のように粒ぞろいで大いに迷いました。どの作品も入選してほしい、この気持ちは最初から変わらないです。
    「喜んでいただくこと」が自分の喜び。珈琲を通して幸せになっていただくことが、私共の幸せ。
      人々の珈琲にまつわる光景を知ることができたら、どんなに幸せだろうと、珈琲に関わる人なら誰もが感じると思います。
      珈琲のエッセイはまさに「しあわせになる珈琲」のエッセイです。
      珈琲が多くの方の人生にもたらす力に「珈琲って凄いな!」と、今年も唸っています。
      このような機会があり、私どもは日本で、世界で、もっとも幸せな珈琲店のオーナーではと感じています。今後も幸せづくりにいそしんでいこうと想いを強くしています。
      エッセイコンテストを続けるにあたり、多くの方に支えて頂いています。
      審査委員の先生方、一次審査で読んでくださる方、賞状を書いてくださる方、入選作品集作成をしてくださるデザイン会社の方、応募者リスト作成のスタッフなど。そして、なんといっても応募してくださる方々、皆さまに心より感謝いたします。
      雨の日、珈琲カップを片手に外に目を向けると、紫陽花に代わり、夏へのときめきを表すように合歓木の花が咲き始めています。
      今後も皆さまの珈琲タイムが喜びに満たされますようお祈り致します。

      ありがとうございます。
  • 平成29年6月/株式会社船倉代表取締役 船 倉 三千代
  • 第10回エッセイコンテスト入賞者

  • 『審査員』
    • 審査委員長・・・作家・文章教室講師  出水沢 藍子 
                 (「出版企画 あさんてさーな」代表 )
    • 審査員・・・・・南日本新聞社薩摩川内総局長  井 上 喜三郎
    • 審査員・・・・・協業組合ドゥ・アート代表理事 竹下 とみお
    •     他6名
    第10回「珈琲のある風景」エッセイコンテスト2018入賞者
    お名前 タイトル 住所 年齢 作品
    金   賞
    <賞金5万円>
    尾藤 寛 様 『たまらなく可愛い笑顔』 東京都町田市 34歳 作 品
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    銀   賞
    <賞金3万円>
    村上 和弘 様 『珈琲の風景』 京都府京都市 53歳 作 品
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    銅   賞
    <賞金1万円>
    吉田 恵利子 様 『琥珀色の天使さん』 埼玉県狭山市 50歳 作 品
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    南日本新聞社賞
    <賞金1万円>
    佐藤 洋子 様 『陽だまり車カフェ』 宮城県仙台市 66歳 作 品
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    船 倉 賞①
    <賞  品>
    田中 義弘 様 『妻に淹れる珈琲』 鹿児島県鹿児島市 60歳 作 品
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    船 倉 賞②
    <賞  品>
    佐々木 幹雄 様 『その日、母は珈琲を飲んだのか?』 東京都大田区 61歳 作 品
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    船 倉 賞③
    <賞  品>
    柴田 奈依 様 『熱々の珈琲』 愛知県岩倉市 29歳 作 品
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    船 倉 賞④
    <賞  品>
    野澤 祐司 様 『龍の吐く息』 埼玉県朝霞市 31歳 作 品
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    船 倉 賞⑤
    <賞  品>
    佐々木 晋 様 『喫茶店にて』 北海道恵庭市 57歳 作 品
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    船 倉 賞⑥
    <賞  品>
    種田 潔 様 『一夫多妻』 広島県広島市 66歳 作 品
    (別ウィンドウで開きます)
  • 講 評

  • 『初めて審査して』
  • 南日本新聞社薩摩川内総局長
  • 井 上 喜三郎
  •   今回、初めて審査に参加させていただいた。1,086点という応募点数の多さにまず驚いた。しかも、全国各地から、海外からも作品が寄せられている。世の中にあまた喫茶店があるなか、薩摩川内市という決して大きくはない街でコンテ ストを十年間継続し、コーヒー文化や地元を発信してこられた。船倉さんの努力に敬意を表したい。
      ①コーヒーの香りや温かさが伝わってくる臨場感ある内容②作為が感じられない自然な内容と表現。主にこの二点を審査の基準とした。エッセー(随筆)は実体験がベースになっていなければならない、と私自身は考えている。あらためて辞書でひいたら「意の趣くままに感想・見聞などをまとめた文章」とあった。「見聞」とあるから、私の解釈は間違っていないと思う。
      読んだ作品は34点。すでに1,086点の中から選りすぐられていたので、どれも一定の水準以上の素晴らしい内容だった。ただ、あまりにエピソードが出来過ぎで「創作や小説ではないか」と感じた作品は選ばなかった。南日本新聞社賞の「陽だまり車カフェ」は福島の被災地の現況、即席カフェのなごやか雰囲 気、過酷な体験をしても前を向いて生きる人々の表情が、飾らない文章ながら的確に描かれ、思いもよく伝わってきた。
  • 『講 評』
  • 協業組合ドゥ・アート代表理事
  • 竹 下 とみお
  •   審査会参加3回目。今回は、南日本新聞社薩摩川内総局長も新しい方に替わら れ審査員全員が新たな気持ちで審査に取り組んだ。
      スムーズに進むはずの審査会が一転、意見が出すぎて混乱状態。終始が着くのか不安になってきた。しかしこれは、選ばれた34点の作品がいかに素晴らしいかという背景があった。正直、今回はこれら34点から10点絞るのは自分にとってとても難しかった。各々に個性があって、ストーリーがあって、情景が目の前に現れてくる。
      今回で10回目の「珈琲のある風景」エッセイコンテスト。第1回目に船倉さんからはじめる事を聞いたとき、どれくらい応募が集まるのだろうかと不安に思っていたけど、1回目36点、4回目1,616点、9回目1,020点、そして今回は1,086点。素晴らしいのひとこと。
      その後、審査は進み、審査委員長がなんとか意見を取りまとめ、やっと今回の結論に至った。よかった!一瞬内心ホッとしたひとときだった。今回選ばれた 作品は、話題も偏らずいい作品ばかりだった。さすが10回目。まだまだこれからも続いて欲しい。
      その後の懇親会はみなさん車でいらっしゃっていて、お酒を飲めるのは僕だけ。目の前で船倉さんが、有名な銘柄の日本酒の五合瓶をためらいもなく箱から出して、ビール用のコップになみなみと注いでいただいた。全部飲まないといけないのかなぁと思いつつ、結局はコップ2杯で完璧に酔っぱらった。いい審査会だった(笑)、また来年!
  • 『タイトルに心配りを』
  • 作家・審査委員長
  • 出水沢 藍 子
  •   応募総数1,086点、その中から選りすぐりの34作品が最終審査に残った。審査員の意見が分かれ、何度か話し合いを重ねたすえ、「たまらなく可愛い笑顔」が金賞に輝いた。
      仕事で帰りが遅い父親の帰りを待って、コーヒーを淹れる小学生の娘。母親を幼い弟妹に占領された彼女は、父親のそばで眠りたいと帰りを待っていたのだ。たぶん初めて淹れたのだろう、手をぷるぷる震わせながら持ってきたコーヒーは、とても苦く寂しい味がした。
      仕事に熱中するあまり、子供の心に耳を傾ける余裕のなかった自分を省みる若い父親の心情がつづられる。たんたんとした文章表現に、けなげな娘への想いがあふれている。
      銀賞の「珈琲の風景」は、コーヒーを絵の具にして描いた絵葉書が題材である。さまざまなコーヒーシーンが出てくるこのコンテストだが、珈琲画を扱った作品は10回目にして初登場である。「葉書を顔の前に持ち、鼻から大きく息を吸い込む」というユニークな体験談を、生き生きと描く。
      銅賞の「琥珀色の天使さん」は、入院中の母親の車椅子を押して散歩していたときの出来事を書いた。コーヒーに目がない母親と豆を挽く老婦人、初めて会っ たのにまるで旧知のような会話が交わされる。共通の好物を話題にしているとき、しばし母親は病気のことも忘れたことだろう。
      学生時代に古道具屋で買ったフランス製のコーヒーミルへの愛着を書いた「一夫多妻」や、コーヒーにミルクを入れた時に広がる様子を「龍の吐く息が宵闇へ もくもく広がって夜霧を作り出すよう」とたとえ、みごと交際相手のハートを射止めた女性のことを書いた「龍の吐く息」なども読み応えがあった。
      最終審査に残った作品一覧表を見ながら驚くのは「珈琲(コーヒーも)」のついたタイトルが多いことである。「珈琲のある風景」をテーマに書くのだから、タイトルにこの文字は使わないほうがいい。エッセイの内容に添いつつ、さらに具体的に。この作品にはこれしかないと言えるタイトルを見つけ出してほしい。その心配りが作品に命を吹き込む。
  • 予備審査通過者

  • プロムナード

  •   第10回エッセイコンテスト入選作品集「ぷろむなーど」を作成しました。
    1冊280円(税込み)で店頭販売致しております。